どーも。
前田王子です。
占いって、悩んでる状態の人からすればすがりたい、信じたいもので、自分の頭で考えることができる人からすると、インチキ臭いものです。
「占いはインチキなのか」という論争に結論は出ておらず、インチキ派とそうでない派が各々の意見を放り投げっぱなしになっているのが現状のように見えます。
僕は「占い師」という仕事をしているわけですが、占いをどう捉えているかと言うと、占いとは精度の高い偏見だと思っています。
「精度の高い」と付けるのは、一応10年くらいやってる僕のプライドの部分と、単に「偏見」と言ってしまうと、陰陽五行や易学なんかの理論体系を作り上げた先人たちを踏みにじってしまうことになるので、「精度の高い」という言葉は、せめてもの思いでつけさせてもらってます。
数多くの占い師を見てきましたが、中には
と思うシーンも何度もありますし、占いの知識は多くとも、単に世間知らずすぎて的外れな回答になっちゃってる人もいます。
どれだけ占いを勉強したところで相手の人生全てを覗き見ることはできないし、経験していないことについてはイメージで語るしかなく、そう言う意味で「偏見」という言葉を使っています。
各占術(四柱推命・占星術・九星気学・六壬神課・紫薇斗数・インド占星術・易・タロット・手相などなど)には、それなりにしっかりしたロジックがあって、知れば知るほど「なるほど!」と思うことは多いものの、それを扱う占い師の技量に依存するので、レベルの低い人が扱えば、その人の口から出る言葉というのはそれなりのものになってしまうのも事実です。
ちなみに個人的には、「占いは統計学」と言っている人は単純にレベルが低いと思ってます。その手の人に芯食ったことを言われたことがないので。
あと、「統計学」と言うならば最も大事なのは統計データであるはずなのに、統計データは一切ないところもモヤッと指数が高いです。
とまぁ僕も世にある「占い」というもの全般を頭から肯定しているわけではなくて、どちらかといえば冷ややかな目で見てるものの、使い所も使いようも大いにあるので、便利な部分はめちゃくちゃ享受している、というスタンスでやってます。
というわけで今回は、「占いはインチキなのか?」というテーマで書いていきたいと思います。
占いのインチキポイント
占いがインチキ臭く見えてしまう部分として、曖昧さというか、フワッとした前提をひっさげてドンドン話が進んでいってしまうところがあります。
例えば2022年に流行った「風の時代」という言葉。
これは占星術用語で、風の時代の前は「土の時代」だそうで。
別に何の時代でもいいんですが、
という感じで話を進められると、
ってなります。
漫画の連載を打ち切るために急に出てきためちゃくちゃ強いキャラみたいに急に出てくるやん。追いついてないよ、こっち全然追い付けてないよ!ってなります。
フワッとした話でドンドン先に進んじゃう上に、なぜかそれを納得してるみたいなスタンスの同調圧力でマウント取ってくるスピ系インフルエンサーがここぞとばかりに湯水の如く湧き出てくるのも、いや、君らそれ分かって話してる?ってなります。
で、しっかりと聞こうとしても具体的な内容は「風の時代」以上の情報は出てこないので、モヤモヤは募るばかりです。
その辺の詳しい説明をしてもらって、納得のいく風の時代になればいいのにな〜って感じですが、占い界隈の人たちって非占い界隈への配慮がめちゃくちゃ雑なんですよね。
大学生の内輪ノリじゃねーんだからさ。って思うのは僕だけじゃないはず。
占い師は心理学に精通していない
占いについて懐疑的な話をする方に多いですが、
なんて言われることがあります。
つまり、生年月日から何かしらを読み取り、その情報を元に話しているのではなく、相手のリアクションや気持ちを誘導するような手口で話しているだけだ、という意味なわけですが、占い師の立場から言うと、
って感じです。
確かにその人の見た目や発言を元に話すことはありますが、ただそれだけでは本当にただの偏見です。
それ以上に、命術(生年月日を要するもの)なら生年月日から分かる情報、卜術(ぼくじゅつ:タロットや易のような偶然性を重要とするもの)ならカードや相応のツール、相術(手相などの形から判断するもの)なら相から見えるものを頼りに話しています。
これは占い師でないと分からない感覚ですが、生年月日に出ている性質を伝えた時に
なんて言われることもよくあるのですが、そう言われるたびに駆け出し占い師の頃は
って思いながら鑑定をしていました。
心理学を云々かんぬんしながら巧みに相手を誘導してどうにかする・・・なんてのはもってのほかで、実際の占い師の頭の中はそんな世界観とは全然違います。
慣れないうちは、「当たってる!」というリアクションに対して、逆にこっちがビックリするということもよくあります。
ただ、そんな感じを客観的に見ると、コールドリーディングに見えるのかな、とは思います。
あと、コールドリーディングで言えば、占い師にばっかりコールドリーディングって言われてるけど、高額商品の営業マン(車や家など)の方がよっぽどコールドリーダーです。
僕ら占い師としては、依頼者の悩みが少しでも軽くなってくれることが仕事なので、そのことに必死になっているだけで、相手を誘導しようとかそういう想いはほぼゼロです。
そうでもないパターンがあるとしたら、占いを通して何かを販売したい占い師は、目的が「悩みをほぐすこと」ではなく「商品を販売すること」なので、理解したフリや心理誘導というのは必要になってきます。
占い師という生き物は、ここだけの話そこまで高学歴の人もいないので、基本的に勉強が苦手です。
そして占い師は資格が不要なので敷居も低いです。
キラキラした占い師のホームページを見るとよくありますが、何かよく分からないエネルギーワーク系の資格(国家資格ではないもの)、たとえば「マスタースピリチュアルコーディネーター検定1級」とか「マインドコンシャスネスファウンデーションプランナー取得」とか、そういうよく分からんけど凄そうな資格(みたいなもの)がズラーっと並んでたりしますが、総じてお金と時間かけたら取れる割と簡単なものです。
ちなみにここに挙げた資格は存在してません。それっぽいやつ書いただけです。
とはいえ、その資格たちを取るためにかけた時間とお金で手に入れた知識は少なからずあるわけで、その占い師の価値観を向上させてくれるものでもあるので、決して役に立たないわけでもないですが、、、その肩書きが何かしてくれるわけでもありません。
話が逸れましたが、占い師って心理学に精通しているわけではなく、占いの勉強や他のスピリチュアルな勉強が割と忙しいので、心理学、特に相手を誘導させるような手法については、そのスキルを習得する時間がないです。
そして、生年月日や手相やタロットから得られる情報が、意外と的を得たものだったりするので、占い師ではない人からすると
って言いたくなる気持ちも、分からんではないです。
結果的にそう思えちゃうのも、占い師あるあるだったりします。
読み取って言語化しやすい生年月日の人はズバズバ当たるけど、そうでもない人に対しては頭真っ白になる時あります。
結論:インチキかどうかは人によりすぎる
「占いはインチキなのか」という話ですが、これは占い師の技量や人となりに依すぎるので、一概に「インチキだ!」とも言い難いところがあります。
技術の低い占い師も多いので、
ってなるし、高い金額の扱いに抵抗がない占い師もいるので、
ともなるし、めちゃくちゃ当たってるものの説明が下手すぎる占い師もいるので、
なんてことも起こります。
ですが、占い師がやっていることというのは、その人が修めた占術に則って相手を見て、その上で言葉を出しているということに尽きます。
ホント、やってることはこれだけです。
そこに尾ヒレがついたりするのは、その人のサービス精神だったりエンタメ性だったりで、基本的に占い師という職業は「悩んだ人の味方であれ」だと思っています。
とはいえ、悩んだ人からお金を吸い上げるために占い師という顔をしている人もいたりして・・・なわけで、そんなことを考えていると堂々巡りになってしまうわけです。
それを言い出せば、お医者さんだってヤブ医者もいれば名医もいるし、科学者だって素晴らしい発見をする人もいれば全然違うことを自信持って正論だという人もいます。
それを「医者はインチキだ」「科学は嘘っぱちだ」と言うのも、主語がデカすぎるわけで。
「占いの理論体系やシステム自体がインチキなのか」くらいに話を限定すれば、インチキどころか僕でも理解できていない理論体系がたくさんあるくらい、「占い」という世界観は奥が深いです。
占いの起源と言われている「亀卜(きぼく)」というものは、亀の甲羅を日で炙って、そこにできた亀裂の形で吉凶を占うというものですが、現代的な価値観でそんな話を聞けば、それこそ荒唐無稽すぎて笑えてしまいます。
ですが、そこには今の僕たちには分からない理論体系や哲学があったわけで、知らなければ知らないほど荒唐無稽に思えちゃいます。
インチキ占い師はいるけど、占いの理論はある
結論としては、インチキ占い師はいます。たくさんいます。
でも、だからといって「占いはインチキだ」とはならないと思います。
占いの理論を頼りに放った言葉が、相手の芯を捉えることもあります。悩みの核心を突くこともあります。
でも、だからといって「占いはインチキじゃない!」ともなりません。
なぜなら、巷に出回ってる雑多な占いの本は、「占い」という昔の人が作り上げた理論体系を踏まえて練り上げたものではなく、血液型占い+α程度の浅はかなものも多いからです。
かの心理学の大家であるユングも、易や錬金術(占星術)に傾倒していたと言いますし、マーフィーの法則で有名なジョセフ・マーフィーも、易学から発想を得たと言います。
彼らがその奥深さから傾倒していった古代占術の仕組みが、空虚でインチキなものだと一蹴できるほどの頭を僕は持っていないし、彼らの言説に感銘を受けることもあります。
「占いはインチキだ!」と言い切ることができれば僕もスッキリするところはありますが、知るほどに奥行きが出てくる面白い学問だと思っています。
かく言う僕も、占いがインチキだと言うことを暴いてやろうとしてたら占い師になっていたタイプなので、「占いはインチキだ」と言いたい人の気持ちも分からんわけではないので、「占いはインチキだ」と主語を広げて語るのではなく、「インチキな占い師はいる」と限定してみてもいいのかなと思います。
そして、「占いはインチキだ」と思っているあなたこそ、占いのインチキを暴くために占いを調べ始めて占いに傾倒していく才能があるんじゃないか、とも思います。