どーも。
前田王子です。
世の中には「ヒモ男」なんて言葉がありますよね。
僕みたいな真面目な人間からすると、
なんて思ってしまうわけですが、意外とヒモ男って楽じゃないって知ってますか?
女性に貢ぎ倒されて、お金にもセックスにも不自由しないヒモ男・・・と思われがちな彼らの本音を心理学的に覗いてみたいと思います。
そもそもヒモ彼氏はヒモになりたいのか?
カウンセリングの現場では、女性からの相談が多いです。
「ヒモ男」という言葉はあっても、「ヒモ女」という言葉は聞き馴染みがないわけで、ヒモの男女比としてはやはり男性の方が多いです。
そんな「ヒモ男」を抱える女性の相談として、毎回出てくるくだりがあるわけですが・・・
というもの。
ヒモ男は、最初はカッコいいんです。最初はお金出してくれるんです。
そう、最初だけは。
では、彼らヒモ男は、ヒモになる予定で最初だけカッコつけるのでしょうか?
ヒモになるために付き合い始めるのでしょうか?
これはにいくつかパターンがあります。
- 元々ヒモになりにきてる男
- 誰が見てもあからさまなクズ男
- まさか彼が・・・という意外な男
といった具合です。
前者の2パターンは、まぁ、なんて言うか・・・
という感じなのでここでは扱いませんが、問題なのは後者です。
後者のパターンが、恋愛相談において特に多いです。そして、
- 別れられなくてツラい・・・
- 何とかして復縁したい・・・
といった内容の相談になって僕のところに来ます。
果たして、最初はカッコ良くてお金も出してくれるその男性、本当にヒモになろうとしてあなたに近づいたんでしょうか?
ヒモ男と付き合った人が口を揃えて言う
という栄光の日々は、全くのウソなのでしょうか?
ヒモ男はヒーロー願望が強い
カウンセリングで出てくるヒモ男の傾向としては、総じてヒーロー願望が強いです。つまり、
- 素敵な彼氏でいたい
- カッコいい男でありたい
という願望がとにかく強いです。
そんな願望が強い男性、どう思いますか?
そんなふうに思ってくれるなら嬉しい?
果たしてそうでしょうか・・・
ヒモ男になってしまう男性達は、総じてヒーロー願望が強いです。
ですがそれは、あくまで願望です。つまり、実現する実力が伴っていない、という現実があった上での「願望」なんです。
ということは・・・最初だけは頑張っちゃうことになります。だって、あなたにとってのヒーローになりたいわけですから。
でも、ヒーローであり続けるには、実力も経済力も人生経験も足りていません。
だから、結果としてヒモになってしまうわけです。
ただ、これだけでは話が飛躍してしまっていますよね。
というわけで、ヒモ男がヒモになるためのメカニズムを紹介していきます。
ヒモ男に捕まる女性は、とにかく甘えたい
ヒモ男になってしまう人の特徴としては、最初はカッコいい!お金も出してくれる!ということでした。そして、その裏にはヒーロー願望が強い!という心理がありました。
つまりヒモ男予備軍の彼らは、最初こそは、男性としては非常に優秀な人物像が見えてきます。
では、そんな人にコロッといってしまう女性もいるわけで、そんな女性というのはどんなキャラクターなのでしょうか?
よく相談を受けるタイプとしては、尽くして欲しいと思っていたり、大事にしてほしいと思っている人が多く、そこから伺える人物像としては、甘えることを許してくれる人を求めている女性、と言えます。
四柱推命で彼女らの命式を見ても、他人軸で、相手の言葉を言葉通りに受け取りがちな人が多いです。(ここが難しいところで、我が強すぎる人もヒモ男に引っかかりがちです。少数派ですが)
つまり、優しくて甘えさせてくれて、素敵な言葉をかけてくれる人だから、サクッと心を許してしまうわけですね。
言うなれば、素敵な門構えに惹かれて入ったはいいけど、中は全然素敵でもなく、全部セルフサービスだった、みたいな感じが、ヒモ男の図式だったりします。
そしてヒモ男を好きになってしまう女性像は、素敵な門構えに惹かれて入っていってしまう、という気質があります。
ヒモ男を好きになる女性の特徴として、自己評価が低い、自己否定が強い傾向があります。ですが、男を見る目についてはなぜか自信を持っている、という矛盾を抱えています。
とにかく甘えたい女性と、男らしくありたいヒーロー願望の強い男性、その両輪があることで、「ヒモ男」が存在できることになります。
いざ!ヒモ男へ!
めでたくヒモ男(に変貌を遂げる男性)と、とにかく甘えたい女性がお付き合いすることになりました。
彼はカッコ良くあろうとして、彼女はそんな彼に酔っている、最初はそんな感じで進行していきます。
そしてある日、事件は起こります。
シーンその①「お会計にて」
彼女としては、大好きな彼の助けになれたことで嬉しさいっぱいです。では、彼の心境はどうでしょうか?
ヒモになる前の彼は、彼女のヒーローでいたいわけですが、先にも書いたように、彼のそれは「ヒーロー願望」であって、実力が伴っているわけではありません。
なので、ここで改めて彼女のヒーローになる誓いを立てるわけですが・・・残念ながらそれもまた「願望」でしかないわけです。
一方その頃彼女はと言うと、こんな私でも、少しは彼の役に立てた!という気持ちで舞い上がっています。
彼女の中では、「お金がない彼を助けることができた」という判定になっているわけですが・・・実際のところは、彼は彼女に感謝をするワケではなく自分が不甲斐なかったことを悔いているだけで、彼女が払ってくれたということは、彼にとっては汚点となります。
シーンその②「次の食事にて」
後日、また二人で食事をした時、今度こそはと彼が財布を覗き込むと、昨日下ろしたはずのお金が見当たりません。
カウンセリングでヒモ彼氏の話を聞くと、「払う素振りはする」という意見を多く聞きます。
それもそのはず。彼としては、一応払う気はあるんです。ただ、金銭感覚が破綻しているので(※ヒモになる要因)、財布にお金が入っていたら使ってしまうこともよくあります。(緊急の支払いやギャンブルなど、使い方のパターンはいろいろ)
で、結果的に格好いいとこ見せようとしたシーンで格好つけれずに、「うわー、俺超ダサい・・・」と自己嫌悪に陥るわけです。
そんなことになってるとは知らない彼女は、せっせと彼にお金を使い始めます。
そして、彼にお金を使うことが、彼のためになっている、という錯覚に陥っていくのです。
そしてその次も、さらにその次も、彼はお金を払うことができず、どんどん自己嫌悪が強くなり、元気がなくなってきます。
そうなると、彼女が「彼は私がいないとダメなんだ!」と錯覚しだし、より彼に尽くすわけですが・・・その行為こそが、彼を傷つけてしまいます。
じゃあどうしようもないじゃないか!!と思うかもしれませんが、この時点では、ハッキリ言ってどうしようもありません。二人ともが、
という世界観で頭がいっぱいなので、冷静な判断が出来ません。
そうこうしていると、彼はバツが悪いので彼女に会いたくなくなってきます。それを見て彼女は、「私が何とかしなきゃ!」と思い、頑張って会いに行きます。
ですが、お金のない彼は、デート代などで金食い虫(※彼のお金は減っていないものの、会えば支払う機会が発生する)の彼女に会いたくありません。だけど、彼女のヒーローにはなっていたいです。すると、その心理が進化して・・・
という身勝手な変換を起こします。
お金の管理がただずさんなだけなんですが、彼はそれに気付いておらず、目の前の出費先である彼女といる時間が悪い、と決めつけます。(実際、ヒモ彼氏は持ち物が多かったり部屋が汚なかったりと、管理が出来ない人なことが多いです)
こうして、役者が全て出揃ったことになります。
- ヒーローになりたいけどなれない自分
- お金を使わせようとしてくる悪い彼女
という構図を抱いている男と、
- 今はちょっとお金がないだけの彼
- そんな彼を全力でサポートする私
という女の、前提のズレたコントが展開されることになります。
そしてその結果、「ヒモ」という状況が生まれます。
ヒモ男の悲しい本音
ヒモになる男性は、ヒーロー願望が強いという特徴がある、と書いていました。
では、なぜヒーロー願望が強いのでしょうか?
ここには、幼少期に母親を守れなかった後悔や、母親が遠くに行ってしまったことへの後悔があります。(・・・と言っても、どちらも後悔したところでどうしようもないことなのですが)
こうした後悔の念を癒すことができないまま大人になると、今更母親をどうこうすることが難しくなってきます。そうなると、その対象は母親から彼女へとバトンタッチされることになり、彼なりのヒーロー像という名のパフォーマンスを彼女に見せるわけですが・・・
それはあくまでもパフォーマンスであり、実際にはヒーローではない男がそこにいるだけです。
つまりヒモ男というのは、ヒモになりたくてヒモになっているのではなく、無自覚の中でヒーローを演じていたら、ヒロインになりたい女性と出会ってしまって、そのままヒーローとヒロインのズレたコントが進行してしまった状態の延長線上にいる存在、と言えます。
なので、ヒモ彼氏との恋愛相談においては、彼女側が「別れたくない・・・」と泣くパターンが多いことになります。それもそのはず。彼女の中では、実力こそないものの、彼は紛れもなくヒーローだからです。
ただ現実問題として、貯金も底が見えてきて、生活も危うくなってきて、コントを演じることに支障が出てきているので、「何とかしないとヤバイ」という思いから僕のところに相談に来るんだと思います。
苦しみは目指す者にしか訪れない
ヒモ彼氏を抱える女性もヒモ彼氏も、お付き合いが続いている時は苦しいはずです。
なぜ苦しいのかといえば、彼も彼女も、共に「理想」を目指すものの、その理想が叶えられずにいるからです。
彼は、彼女のヒーローになりたくて頑張るもののお金がなくて支払いができない。
彼女は、彼の役に立ちたい一心でお金の援助をするけど、それが彼の心を苦しめる。そして結果的に彼女も報われない。
お互いが良かれと思って頑張るのですが、頑張る方向性がお互いにズレてしまって、頑張れば頑張るほどにお互いの心が離れる結果となってしまいます。
ですが大前提として、お互いがお互いを大事だと思うがゆえの行動なので、何ともやりきれない感じになってしまいます。
素直なコミュニケーションができる関係であればいいのですが、コンプレックスや劣等感なども相まって、現代人というのはなかなか素直に言葉を発せなくなっています。
だからこそ、僕みたいな仕事の人がいるわけですが、やっぱりちょっと悲しい話ですよね。
逆に言うと、コミュニケーションの質を改善すれば、愛しのヒモ彼氏を素敵な彼氏にすることもできる、ということになります。