最近若い世代の台頭がスゴイ。
高校生フォークシンガーの崎山蒼志君しかり、才能とか天才だとか言いたくなるような、そんな子達をよく見る。
今回は、卓球男子シングルの張本智和選手の生年月日から、彼がどんな人なのかを探っていく。
得点時の叫び声「チョレイ!」が印象的な張本君だが、あの叫び声がどこから出てきているのか。
生年月日から見た限りだが、これはちょっと悲しいストーリーなのかもしれない。
まずは命式から
まず特徴的なのは、日干の辛に対して土の五行が多い(戊・己×2)こと。
辛(かのと)は、生を受けることを好む。また、印星(印綬・偏印)もあって、周りからの援助が大きい。
さらに、日干の「辛未(かのとひつじ)」というのは、本来とてもデリケートでお人好しな平和主義者の星である。
もう一つ特徴的なのは、自星(じせい)と呼ばれる星が無いこと。(もしかしたら時柱にあるかも)
自星とは、この場合だと日干以外の場所に辛か庚(かのえ)が配されること。
この星があるとどうなるかというと、同じくスポーツ選手で言うなら北島康介選手のような、なんかこう、イケイケな感じで好戦的な人になる。
しかし、張本選手の命式にはそれが無いのだ。
スポーツ選手には無くてはならない自我というか、闘争心を象徴するのが自星なのに。
ホントはひ弱で甘えたがりの張本選手の、何があれだけの力になっているのだろうか。
優しくも厳しい、父・宇の存在
四柱推命では、月干の位置を父親として見る。
ざっくりまとめると、各柱こんな感じ。
父親の位置である月干に配されているのは「戊(つちのえ)」。
これは土生金(どしょうきん)といって、土の中で金属が生まれる関係から、土は金に力を与えるという関係になる。
そして、年干に配されているのが癸(みずのと)で、戊と癸がある場合、干合(かんごう)といって属性変化のような現象が起こる。
この場合は、戊と癸が、元々の五行は残しつつ、火の五行の働きもするようになる。
火の五行は、辛にとっては自分に負荷を与える力となり、本当は嫌がるものだ。だが本来は戊という辛の大好きな存在なので、ただただ嫌がるという訳ではない。
この関係が、辛にとってはすごくいい関係なのだ。
辛にとって火の五行は、官星(かんせい)と言って自制心や規律を表す。
自星のない張本選手の命式は、印星によって動かされる。なので、張本選手にとっては父親が全てなのだ。
張本選手にとって、父の行動、言動、全てが信仰と言っていいくらいのものとなる。
父の敷いたレールというと聞こえは悪いが、自星のない命式にとってはレールが無いと進めない。
これは決して悪いことではなくて、張本選手がより強くなるためにはベストな方法だ。
父が敷いたレールを確実に歩むことが、彼をより強くさせる。
ちなみに張本選手の父は、男子ジュニア日本代表のコーチだそうだ。
強さの条件は整った。
次に、張本選手の強さの秘訣を見てみよう。
才能があるとするなら、類稀なる吸収力
コーチや環境が良くても、それを受け入れる器が無くては意味が無い。
張本選手の場合、父親は当然のこと、目上の人(コーチ陣)の言うことを徹底的に守ろうとする。
自分の意見とズレるとか、そんなことよりこうした方がいいとか、そんな意見は彼には無い。いい意味でイエスマンなのだ。
命式から見えてくる彼の強みは、「言われたことをいかに素早く自分のモノにするか」ということを最優先させること。
自分のアレンジよりも、コーチからの意見、指摘を最優先する。特に、褒められたり認められたりすれば、それだけ張本選手の力になる。
周りはそれを吸収力と評するかもしれないが、その根幹にあるのは、究極のイエスマン(いい意味で)の部分なのだ。
決してチョロくない悲痛な叫び「チョレイ!」
張本選手をここまでメジャーにしたのは、その強さももちろんのことだが、掛け声の「チョレイ!」だろう。
昔から使っている掛け声らしいのだが、昔から使ってたのなら・・・それは命式から見ると結構怖い。(変な人!とかそんな意味じゃなくて)
自星が無く、辛未を持つ張本選手。
命式から見る彼にとって最優先事項は、父親や周りの大人たちに尽くすこと。
この場合は、やはり勝つことがそれにあたる。
では逆に、一番やってはいけないことはというと、周りをガッカリさせることだ。
試合に負けることや自分に負けることは、彼を育ててきた周りの人を否定してしまうことになってしまう。
となると、負けることは許されないのだ。
命式から見た彼の勝負感というのは、勝つことの喜びの為ではなくて、負ける恐怖からの回避となっている。
「勝つ!」ではなくて「負けられない!」なのだ。
負けないためには失敗しないこと、得点を得ること。
サッカーのゴールシーンでは、チーム全体で喜ぶ姿がよく見られるが、張本選手の得点シーンでは違う。
全力のガッツポーズからの「チョレイ!」に占い師が見るのは、負けから遠のいた!という安堵なのだ。
逆に、得点を決められた時に見せる顔は、負けが近づいたという恐怖にも見える。
父や周りの人の為にも負けられない。
彼は、そんな悲痛な想いでラケットを振っているように見える。
もちろん、周りには彼の味方しかいないので、そんな想いを抱く必要はないのだが。
そして、辛を日干に持つ人は、一度折れたらなかなか立ち直れない。
辛は宝石を表す象意だが、宝石は割れてしまったら元に戻すことができない。
割れないように、壊れないように。自分の命を守れた時にでる悲痛な叫びが「チョレイ!」なのだ。
興味本位で張本選手の命式を見てみたら、なんかとんでもないストーリーを開いてしまったように感じる。