どーも。
“改”運トレーナーの前田王子です。
今でもまだ根強い人気を誇るアニメ「ドラえもん」。
きっと皆さんも見たことがあるかと思います。
僕も昔は毎週何気なく見てました。
そんなドラえもんですが、ふと、我に返って改めて見てみると・・・
結構とんでもないことやってる漫画だったりするんです。
「のび太君」というステレオタイプ
勉強もできなくて運動もできない、なおかつモテなくてお母さんには叱られてばかりで、ジャイアンとスネ夫にはいつもバカにされてて、すぐ泣く。
そんな主人公の「のび太君」。
漫画のキャラクターであるとはいえ、非常に低スペックである。
そして、日本は一家に一台はテレビがある国なので、よっぽどの人たちがドラえもんを見ていることかと思う。
「ドラえもん」という予備知識が入った人からしたら、
- 勉強ができない
- 運動ができない
- メガネ
- 泣き虫
という特徴を見た時に、意図せず頭の中で「のび太君」と紐づけるはずだ。
そして、「のび太君」はいわゆる「ダメな奴」。
分かりやすく「ダメな奴」という印象を可視化することに成功したのが、「のび太君」というシンボルだという見方もできる。
ドラえもんの罪
そんなのび太君が、未来に天才科学者になって、過去の自分に送り込んだのが「ドラえもん」なわけだけど・・・
先にも書いたように、「のび太君」というダメな奴に貼るシンボルマークはリアルに作られているのに、「ドラえもん」に関しては大ファンタジーである。
ここに、ドラえもんの罪がある。
のび太は、宿題もせず勉強もせず、それでいてテストで0点を取る。
(そもそも詰め込み式の学校教育を子供たちにする必要が云々・・・という手前の話はこの場では扱わないとして)
そして、親に怒られて泣く。
それで奮起して見返す・・・ということはせず、ドラえもんに「何か道具はないか?」と相談する。
漫画の中で一連のシーンとして流れてくると意外とスルーしがちだけど、のび太は基本的に一切何もしないのだ。
何もしない上に、「楽にその場を凌げる方法はないか?」とドラえもんに尋ねるわけだ。
ホント、この一言に尽きる。
しかも、ドラえもんは都合よくその場を凌ぐための道具を持っている 笑
別にそこは、そういう漫画だからいい 笑
だけど、それがお茶の間のメシの時間に流れてることって、果たしてどーなんだ!?と思う。
どーなんだ!?なんて優しい話じゃなくて、ドラえもんは確実に子供の脳を蝕む。
努力しないことを助長して、しかものび太は、未来には立派な科学者になってることが決定している。
そしてそれを毎週毎週お茶の間のゴールデンタイムに流す。
洗脳のメカニズムの基本の「き」は、「繰り返すこと」と、「考えさせないこと」だ。
毎週のお食事時に放送するというのは、果たして偶然なんだろうか。
そして、ドラえもんを頼ればいいということで、のび太は毎回、困ってからドラえもんに相談する。
これ、仕事で考えてみて欲しい。
部下がやらかして、お客さんが大激怒してしまってから頼られても、どうしようもないものはどうしようもない。
困りごとや悩みごとというのは、一回経験したら、二度と同じことにならないように用心するものだ。
子供のうちからそういう教育を施されていれば、自分の頭で考えて対策を考えて、なんとかするアイデアを生み出すこともできるようになる。
ところが、毎回似たような困りごとを持ってきて、「楽に解決できる方法はないか?」という相談を持ちかけるストーリーを、まだ自分の考えもハッキリと定まらないうちに、繰り返し目の中に映り込んでしまうということが、どれほどの影響力を持つか、ということを、少なからず考える必要がある。
それで親に頼っては見たものの、もちろん親はドラえもんじゃないから便利な道具を出せるわけではない。
しかも大人の頭で考えれば、「楽してんじゃねーよ」という発想になるので、別に悪気なく観ていたドラえもんにかぶれて親に聞いてみたのに、なぜか怒られる。という家庭内不和のきっかけにすらなりかねない。
大体毎週放送してるし、ホント何気なーく見てるし、キャラクターや色使いも可愛いから、ついつい見てしまうんだけど、心理学や洗脳のメカニズムを知った上で見ると、実はこれほど恐ろしいものはない。
出木杉くんは別に「過ぎ」てない
ドラえもんの中には、「出木杉くん」という優等生が出てくる。
その名の通り、勉強もよくできる優等生キャラクターで、名前ももちろん「出来過ぎ」という言葉をもじったネーミングとなっている。
と、不問にすることももちろんできるし、出木杉くんが主人公だったら面白くないし、出木杉くんのスピンオフがあってもあんまり面白そうじゃない。
だけど、とても優秀でカッコ良くて、しずかちゃんがコロッとイってしまうんじゃないかとハラハラドキドキさせられる存在の名前が「出木杉くん」で、その対比であり、主人公であり、感情移入先となっているのが「のび太くん」という構図になっている。
アンパンマンは、子供に勇気を与える。
という子供は、そんなに少なくはない。
(それ故に大人になってからアンパンマン・シンドロームになる人もいるけど)
ところがドラえもんにおいては、主人公ののび太は努力もしない他力本願男で、その恋敵が「出木杉くん」である。
当然ながら、のび太は出木杉くんにはなれない。
そしてこのネーミングの悪意は、「出木杉くんには勝てない」という先入観を植え付ける。
つまり、ヒエラルキー(階級のピラミッド構造)を意識させるとともに、自分の立ち位置、脆弱さ、無力感というものを徹底的に植えつけてきている。
そしてそれを、子供受けする可愛らしいタッチのドタバタ劇で描いているのである。
冷静に考えれば、いい感じに狂気の沙汰である。
しかも、「出木杉くん」というネーミングに悪意があるわけだけど、これが「中島くん」だったら、別に優等生に変な劣等意識を持つこともない。
頭の良い、努力家のただのお友達だ。
問題なのは、勉強もスポーツもできない自分は「のび太」で、優秀なアイツは「出木杉」なのだ、ということの可視化。
つまり自分はダメで、隣の芝はいつも青いことを暗に示している。
ドラえもんのネーミングって、意外とそういう言葉のトリックがある。
ある意味、非常によく練られた作品だけど、非常に性格が悪い。
これが、少年ジャンプ巻末のギャグ漫画枠に掲載されているならまだ笑ってられるけど、教育関連にも使われるし、何よりお茶の間のゴールデンタイムにちゃんと毎週放送されているということ。
それは明らかに子供を狙っているという意図で、可愛らしくて滑稽だから大人が見る分には
で済むけれど、思想や観念の形成途中である子供がこれを観た時の影響力というのは、意外と無視されている。
藤子不二雄が悪い!と言っているのではなくて、それを子供向けアニメとして無料全国放送していることに、僕は悪意を見るわけである。
未来の「のび太」は、今、存在しない
ドラえもんが洗脳教育的だということのキモは、まさにここだと思っている。
のび太は、勉強も運動も人間関係もダメダメな奴、というキャラクターで、そんな子が主人公である。
そして、主人公というのは基本的には感情移入先となりやすい。
画面の中の「のび太」に自分を重ねる人も少なくないとは思うけど、それがまた危険だという話。
アニメの中では、のび太は未来の天才科学者で、天才科学者になった未来からドラえもんが送られてきている。
これは、今はダメダメな自分だけど、未来に大成功する!という証拠になっている。
つまり、今はダメでも、いつかきっと・・・!
ということを案に示している。
だけど、冷静に考えてみたい。
今できないことは、明日もできない。
今日登り始めた長い階段を登り切るのは、いつになるか分からない。
だから人は進み続けるわけで、到達するためには、まず進まないといけない。
はじめの一歩がないことには、二歩目も存在しないのだ。
つまり、楽にその場を凌いでばかりいるのではなく、現実に向き合って、今はまだ未熟な自分を受け入れるところから始めないと、一歩目すら出ない。
でもそれは、心理的には非常に怖いことだ。
だから人の頭は、
という逃げ道を作る。
別にそれが悪いわけじゃない。悪いわけじゃないんだけど、時間は止まってはくれないから、そんなこと言い続けてたら
となる。
50歳すぎて無職の実家暮らしで、「俺もいつかきっと・・・」とか言ってたら、その前にやることたくさんあるだろ!と、誰もがツッコミを入れたくなるはずだ。
未来ののび太は確かに天才科学者かも知れん。
タイムマシンを作ってドラえもんを送り届けたかも知れん。
でも、「のび太」と「未来ののび太」は分けて考えんと!!
今はまだダメダメだから、ドラえもんに助けてもらって・・・
なんてことしてたら、ずーーーーーっとそれそれを繰り返すから!絶対!
と一緒やからそれ!
と一緒やからそれ!!
確かに、のび太が奮起するシーンもあるにはある。
でも、誰がそこにシンパシーを感じるだろうか。
先にも書いたように、洗脳の基本は、「繰り返すこと」と、「考えさせないこと」。
たった1回や2回の「頑張ろう!」って気持ちなんて、毎日の惰性に簡単に揉み消されるから。
松岡修造が熱いのは、毎日熱いからで、武井壮がスゴイのは、毎日スゴイからです。
だから、たまに遊んでも大丈夫なんです。
これもよくあるけど、3日間の自己啓発セミナーで強くなった気がしても、そんなの日常の惰性ですぐに元どおりになるから。
そりゃぁね、よーさん金つぎ込みましたよ。えぇ。
おかげでね、よーさん借金こさえましたよ。全部返したけど!😤
それはさておき、確かにあなたの未来は華々しいかも知れません。
でもその未来、今のあなたの延長線上に見えてますか?
「いつかきっと・・・!」
なんて思ってたら、その未来は永遠に目の前にぶら下がった人参です。
でも世の中って、そういう人が多い方が、お金持ちが儲かるんですよ。
だからテレビでドラえもんを流すわけでね。
信じるかどうかはあなた次第だけど。
「のび太くん」な洗脳を解こう!
いかがだったでしょうか?
何気なく観ていたドラえもんが、ちょっと恐ろしいものになったのではないかと思います。
ただ、何もわざわざドラえもんを怖くしたくてこの記事を書いたのではありません。
別に、キャラクターが可愛かったりグッズが可愛かったりするのはいいんです。
心理学と洗脳の視点から見ると、そうとしか見れないってだけです。
「僕もいつかきっと!」っていう呪文を唱えてドラえもんという幻想に頼っていては、現実は何も変わりません。
周りを見渡すと、そういう人って多くないですか?
- 会社辞める!と言って辞めない人
- 結婚したーい!と言いつつ彼氏もいない人
- いつか売れる予定のバンドマン
- いつか売れる予定の俳優の卵
- いつかガツンと言ってやる!とは言うイエスマン
その思考回路の根幹に、「ドラえもん のび太の洗脳教育」があるとしたら・・・
信じてた大好きな彼が浮気してるかも知れないとしたら、白黒はっきりさせたいですよね 笑
それと同じです。
疑って、容疑が晴れるなら晴れるで問題ないんです。
さて本題。
洗脳の基本は、「繰り返すこと」と、「考えさせないこと」でした。
では、洗脳の解き方は?
それは即ち、「気付くこと(認識すること)」と、「物理的に抜け出すこと」です。
「ボクも(ワタシも)、いつかきっと・・・!」
なんて思っていませんか?
いつかきっと、どうやって目の前の人参を食べるつもりですか?
大事なのは、目の前の届かない人参を追いかけ回すことではありません。
今、あなたにできることを認識することです。
そして、できるところは伸ばして、足らないところを補強すること、さらには、過去の負のループに戻らない環境作りが大切です。
そうしていけば、その延長線上にはあなたが思い描いた未来が待っています。
そして僕は、あなたの未来を作るプロです。
興味があれば、コチラも参考にしてみてください↓

のび太くんは、ちゃんとしたプロセスを辿れば天才科学者になれます。
だけど、いつまでも子供の頃の「のび太」に甘んじていては、気付いた時にはもう良い大人になってしまいます。
未来は確かにそこにありますが、未来の方から歩み寄ってくれることはありません。
望んだ未来にたどり着くためには、自らが未来に向かって進んでいかないといけないんです。